「夜間非常灯コントローラー」の製作
電気を消すと出口を見失う恐怖の建物
また会社ネタです。
残業を終え、会社内の電気を消して施錠を行うのですが電気を消した瞬間、暗闇となり何も見えない状態で手探りで出口まで向かいます。
出口から電気のスイッチまでの距離が異様に長いのです。
これまでも、幾度も足を取られ転びそうになったり、脛を机の角にぶつけたりと散々な目にあっています。
最近、会社の偉い人が取引先様からLED照明パネルを頂いてきました。このパネルはA3用紙より大きくて、照度も充分得られますので夜間の非常灯として活躍しそうです。市場価格で4~5万位でしょうか?。
このLEDパネルをコントロールする回路を作成してみました。
今回の回路ではDC7V~DC24Vまでの照明なら何でも使用できます。
24Vを電源にする・・・
今回使用するLEDパネルはDC24Vで消費電流は350mAでした。(8.4Wもの消費電力)
いままで、こんな大きな電力を制御する回路を組んだことは無かったので、今でも「これで良かったのかな?」という疑問が残っています。
制御回路に使用する5Vは24Vを降圧して得ます。方法としてはスイッチング電源による方法と3端子レギュレータによる方法の2種類が思い当りましたが、回路が簡単なことから3端子レギュレータにヒートシンクを取り付けて5Vを得る事にしました。
放熱をしっかり行えば、3端子レギュレータでも問題は無い筈です。
3端子レギュレータは、グランド板がモールドタイプでは放熱効率が良くないので金属製のものを選びました。
製作途中で、試運転中にプラスとマイナスを逆接続するというお約束の様な事をしたら、一瞬でコンデンサが電解液を噴き出しながら破裂しました。
同時に、3端子レギュレータ、AVR、焦電センサーがご臨終となりました。さすがに24Vはパワーが違います。
24Vをスイッチする・・・
今回使用するLEDパネルの電力をON/OFFする為には、並みのトランジスタではだめです。
トランジスタを使用するとPWM制御で明るさも変えられるメリットがありますが、ヒートシンクも必要になるので、今回は安易にリレーを使用してON/OFFすることにしました。
闇を検出する・・・
まずは、突然暗闇になった場合に照明の電源を一定時間ONにする機能を実現します。
明るさは、CDSと固定抵抗でVCCを分圧して、その電圧をA/D変換して読みだします。
読み取った値が今までの平均値と大きく差がある場合、闇として判定します。
また、同時に現在の照度から昼と夜を判定しますが、その際に使用する閾値は2つ用意してヒステリシス特性を持たせて、中途半端な明るさの時に判定が不安定になるのを抑制しています。
人に反応する・・・
当初は闇を検出したら一定時間照明をONにするだけの予定でしたが、会社の偉い人の要望で人体にも反応する様に、焦電センサーを使用して、赤外線の分布の変化を検出した場合にも一定時間照明をONする機能も実装しました。
センサー単体で使用する際には面倒な周辺回路が必要となりますが、今回使用したモジュールはこれらの回路が事前に組み込まれていますので、単純にAVRのポートに接続するだけで動作します。このセンサーにフレネルレンズを装着して反応距離を稼ぎます。
当然、昼は反応しないようにしておきます。
自然に暗くなった場合は何もしない・・・
日没と共に除々に暗くなった場合は、照明をONにしないようにします。
回路を設計する・・・
この程度の回路なら、8pinタイプのAVRでも余裕で作れそうですが、手元にAtMega168が大量にありますので、これを使用します。
実際に使用するポートはCDSからの入力と焦電センサーからの入力とリレー出力の3本だけなので、非常に勿体無い使い方です。
折角ポートが余っているので、ステータス表示用に7SEG-LEDを接続してみました。
画像公開・・・
|
ケースは秋月電子通商で販売しているポリカーボネートケースに収めました。
ヒートシンクの背が高い為に外にはみ出しています。
CDSと焦電センサーに取り付けられたフレネルレンズが見えます。
左上部のLEDは電源ランプとリレー駆動モニターランプの役割をしています。
|
|
|
ヒートシンクが存在感あります。
初めてこんな基板を作りました。
|
取引先様より頂いたLEDパネルは残念ながら画像公開はできません。イメージとしてはこちらの業者で扱っているパネルに近いです。
実際に動作させてみると、かなり明るく社内を照らします。
これで、出口まで行くのに足を取られることも無くなりそうです。
|